システム構築について of VINTAGE FACE

パワーアンプ編

1、PA用パワーアンプと組み合わせる
2、現場にあるorすでに所有しているヘッドアンプを活用する

1、PA用パワーアンプと組み合わせる

楽器用のヘッドアンプはプリアンプ部分だけでなくパワーアンプ部分にもある種の癖がついていることが多いので、楽器用のように音に癖がなくコストパフォーマンスにも優れたものとして、PA用のパワーアンプがオススメです。
PA用のパワーアンプはラックタイプの形状が多いので大きさとしてはコンパクトなヘッドアンプが流行の今、多少の抵抗があるかもしれません。しかし、サウンドはMONOSASHIやWABI-SABIと組み合わせて使用することで、MONOSASHIやWABI-SABIを通して表現する音を漏れなく意図したままに増幅し鳴らすことが可能です。価格としてもなんと3.5万円〜5万円ほどで必要にして十分な品質のパワーアンプを手にすることも可能です。これを活かさない他ありません。

パワーアンプの選び方
パワーアンプの重さは音の密度感や音の重心の高さ、アンプの構造に密接に関係しており一筋縄ではいきません。パワーアンプ部分を最近主流のスイッチング電源のアンプにするとトランスを積んだパワーアンプに比べ音の密度が散ってしまう傾向がでてきます。重心もやや高めに感じることが多い傾向にあります。しかし軽量でハイパワーがだせるため運搬面では非常に助けられますし、電力消費も抑えられます。
リニア電源のパワーアンプの場合はスイッチング電源と違い音がクッと締まって重心が低く、より自然な音と感じられることが多い傾向にあります。しかしその分重量が重くなり、運搬面での工夫が必要になります。

電車移動中心でキャスターも使用しないという運搬条件重視の場合

3kg~5kgのスイッチング電源のパワーアンプを使用すると良いでしょう。楽器用と違い、同じ方式でも音色の癖が少ないものがほとんどです。
ケースも物によってはラックケースではなく軽量なエフェクター用ケースを活用できることもあります。

写真 Vestax VDA1000
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電車移動中心でキャスターを利用して音質と運搬のバランスをとる場合

リニア電源タイプのパワーアンプでも選べば1Uで6kg~から選択肢があります。やはり音に締まりとコクを感じられ、より忠実な再生をする傾向が見られます。ケースもセッティング時間短縮を重視する場合は軽量ラックケースが良いのですが、多少のセッティング時間を許すならばラックケース以外にも使えるケースがあり1kg近く重量を下げることができます。

写真 Alesis RA150
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車移動中心の場合

10kg~20kgの割と重めの2Uパワーアンプも選択できます。より重心が下がり、癖のないオールマイティな傾向が強くなります。また、パワーアンプ自体を保護する機能も充実してくるため、長持ちするでしょう。

写真 Crest Performance CPX900
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ステージや工房内等の固定設備の場合

18kg〜の重めのパワーアンプをおすすめいたします。上記の通り、重さの分しっかりとした音質を確保しつつも、長寿でコストパフォーマンスが良いのもポイントです。

最近では雑誌や広告で「辛い20kgよりオールインワンで軽量3kgが現実的でベスト!」という様に、答えがショートしています。まるでどれか一つだけを選ばないといけない錯覚を受け、誰もが重たいのは辛いから、ひとつ選ぶなら便利な軽量アンプ…というような選択肢を考えてしまいます。
PA用パワーアンプに関して言えばコストパフォーマンスにとても優れているため、それを活かし、長い目で見れば二種類程度を持ち、その時の現場に合わせてパワーアンプの重量を選択する使い方も可能になります。音質面と運搬面でのバランスの取り方として、新しい考え方のひとつではないでしょうか。
いつでも無条件に軽量化を考えるのではなく、両者に日頃から触れることで軽量化の代償が音としてプレーにどう影響を与えるのか覚え、それを知った上でギグによって使い分けることが良いでしょう。

2、現場にあるorすでに所有しているヘッドアンプの一部のみ活用する

多くのヘッドアンプには「センド・リターン端子」または「Power Amp In端子」が付いています。
現場にあるアンプヘッドや所有しているアンプヘッドのパワーアンプセクションをVintage Faceプリアンプと合わせて利用することで、上記PA用パワーアンプ等を持ち込むのが困難な場合でも、限られた機材でよりBetterな状態においてプレーすることが可能です。


「Power Amp In端子」がある場合
MONOSASHIやWABI-SABIのメインアウトからこの端子に接続することで、ヘッドアンプのプリアンプセクションを完全にスルーして出力することができます。この場合、ヘッドアンプのパワーアンプ部分のみを利用して音を出すことになるため、PA用パワーアンプほどではないにしろ、極力アンプヘッドの癖が少ないセッティングとして利用することができます。


「センド・リターン端子」がある場合
MONOSASHIやWABI-SABIのメインアウトからリターン端子に直接接続することで、Power Amp In ほど確実ではないにしろ、ほとんどプリアンプセクションをスルーして出力することが可能です。
機種によってPower Amp In同様にマスターボリュームのみ機能する場合と、センド・リターン端子用のDRY/WETコントロールが存在する機種とがあります。その場合はWET側に振り切ると良いでしょう。
しかしアンプヘッドによってはリターン端子にさした信号が必ずそのアンプのEQセクション(プリアンプセクション)を通過してしまうタイプのものも存在します。その場合はそのプリアンプセクションの癖が色強くでてしまうため、この方法は利用できません。

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